婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



ドキリと心臓が嫌な音を立てる。



私のこの完璧な男装……もしかして、見抜かれてる!?



どうしたらいいものかと慌てていると、ギル様はゆっくりと机に肘をつき、綺麗な顔でこちらを見上げる。


サラサラの黒髪の隙間から覗く青い瞳が、意地悪く私の顔を見つめる。



「……本当に不思議なほどよく似ているな」

「え……?」



私の顔をまじまじと見るギル様に私はビクッと肩がはねる。



「俺の知っている、とある女にな。

……夜会で俺を池に落とし、下着姿で泥まみれになりながら、お前と同じように無邪気な顔で笑っていた女だ」



な!!!これは?!どっち?!
バレてるの?バレてないの?!ひぃ?!




そして、私を追い詰めるようにギル様は立ち上がると、一歩また一歩と距離を詰めてくる。