婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


その後、お城のように広いお屋敷のいろんな部屋や場所を案内された。


最後に「ここが君の部屋だよ」と案内されたのは、使用人用の小さいけれど、とても綺麗な部屋だった。


さすが、レイヴン公爵家……。
うちのロゼッタ侯爵家の使用人室よりとても綺麗。

よし…これで、衣食住は全部揃ったわね!完璧ねっ!!モラハラルートは完全回避!ふふふっ!


一人で微笑みやっと一息つけそう…と私が胸を撫で下ろした、その時だった。



カチャリ……

と背後で部屋の鍵が閉められる音が響いた。


「え……?」


驚いて振り返ると、扉の前に立ったアル様は普段の優しい笑みを消し去り、冷たく鋭い視線を私に向けて立っていた。