婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



やっぱり気のせいなんかじゃなくて、不審な目を向ける。


アル様は鋭い目で、私を上から下まで、品定めするように見つめてきた。



そして、私の目の前までスタスタと近寄ってきたと思ったら、アル様の顔が私にグイッと近づき、耳元で囁いた。



「もしかして、リオって何か特別な特技でもあるの?なんかいろいろ変わってるよね?」



あまりにも突然の事で、私の心臓が大きくドキンと跳ねる。



ひ、ひぃぃ……!この人距離感ちょっとおかしくない?!

……ギル様もだけどっ!!


し、しかも、気のせいかな?私を見る目が怖い気がするんだけど……

まさか……女ってバレてる?!?!



「な、何言ってるんですかっ!特技なんてないですよっ!き、気合いで認められたんですっ!」



胸の中がドクドクと嫌な音を立てて一歩下がると、アル様は楽しそうに目を細めてクスッと笑った。