「ご、ごめんなさいっ…!」
「気にしてないよ、ギルはいつも不機嫌そうだからね
じゃあ、改めて自己紹介するよ。俺の名前はアルフレッド。気軽にアルって呼んで」
彼はそう言って、優しく笑うと綺麗な手を私に差し出してきた。
女性なら誰でも、喜びそうな極上のスマイルもセットだ。
だけど、私はそんな笑顔のことよりもその手をじっと見て悩んでいた。
えと…これは手を握り返せばいいのかな?
片手じゃ失礼……?両手かな?
やばい…前世はモラハラ男のせいで人との交流絶たれてたし…今世は自由とはいえ屋敷からあまり出なかったから……わかんないっ!
とりあえず…、失礼のないように両手かな?
私は、悩んだ末に差し出されたその手を、両手でぎゅっと握りしめアル様の瞳を見上げた。
「あ、アル様!よろしくお願いします!
僕は今日からこの屋敷で執事としてお世話になる、リオです!」
「……」
アル様は私の手を握り返したまま、なぜか一瞬だけ固まると、不思議そうに眉を寄せ、私の握り合う小さな手をじっと見つめていた。



