廊下に出た瞬間、私はやっと緊張感から解放されて自分の胸を押さえて思いっきり息を吐いた。
「はぁぁぁー……あぶなかったぁ……」
あんな至近距離でギル様に見つめられたら、生きた心地がしないよぉ。
バレちゃうかと思ったけど、なんとかなったみたい、よかったぁ〜。
不意に、男性の声が降ってきて、一人じゃなかったことを思い出す。
「ふふっ、そんなに俺の主人が怖かったかい? 新人さん」
そうだった……!この人がいるんだった!
と、顔を上げると騎士様が、サラサラの前髪をさらりとかき上げながら、優しく笑って私を見下ろしていた。
やばいやばい……独り言聞かれちゃった?!
変に思われちゃった?!
今更おそいかもしれないけれど、慌ててピシッと姿勢を正すと
そんな私を見てクスクスと笑う騎士様。



