婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


な、なにドキドキしてんのよっ!騙されちゃだめよ!!こんな顔だけがいい男!!


裏はとんでもないじゃないっ!


こんな奴に騙されたらモラハラルート突入確定なんだからっ!!




一瞬でもかっこいいと思ってしまった自分に悔しくなった私は、一人でギル様の綺麗な笑顔と戦っていた。




するとそんな私の腰を、急にギル様が引き寄せる。


「……へっ?」


突然のことにキョトンと、ギル様の目を見つめると



くすっと怪しく笑い、私の腰を引き寄せたままステージまでエスコートする。



えっと……これはなに……?
なんで、ステージ……??
全然意味がわからないんだけど……え?



混乱したまま隣のギル様を見上げるけれど、そこには社交界用の甘いマスクで微笑むギル様がいるだけだった。



どーゆー事よ?!と念を送る私の顔を、やっと見たかと思うと、にやりと怪しく笑う。



はい……?



不思議な顔をする私を無視する彼は、正面を見据える。


そして、とても美しい顔で恐ろしいことを言ったのだ。