婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



「ミア!!!捕まえてちょうだい!!!」



バタバタと走り出した私に、ルリが慌てて声をあげる。



うふふふーん!!!
そう簡単に捕まるわけないじゃないっ!!



そして、ドタバタと騒がしく走り回ると部屋の窓を勢いよく、ばぁあぁぁん!!とあける。



「うふふっ!私は今日はなにもやらないんだからぁ〜!!じゃあ、まったねぇ〜!!!」


「「リリィ様ーーーーっ!?!?」」



そんな二人の声を聞きながら私は、最高の笑顔のまま飛び降りた。



この浮遊感がとっても気持ちいい!!



そして、そろそろ着地……と思っていたのだけれど



───ふぁさっ


「……おっと」

「……へっ?」



私の体は、誰かの腕に抱きとめられた。

お馴染みの心地のいい匂いに顔をあげると、そこには数日ぶりのギル様がいた。



ちょうど数日間にわたる公務を終えて、アル様とお屋敷に帰ってきたところだった。



「くくっ……お前ってやつは、久しぶりに帰ってきたというのに相変わらずだなぁ?」



ギル様は私の顔を見て、呆れたように、だけどすごく優しく愛おしそうに私を見つめて笑う。


そのまま私を優しく、芝生の上におろしてくれた。



数日ぶりに見るギル様に、私は嬉しくて興奮が抑えられなくなった。