婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



「アル……リリィとやけに仲がいいとは思っていたが、いつの間にこんな事になってるんだ?

……これ以上、俺のリリィを口説くというのなら叩き斬るが?」



美しい笑顔で恐ろしいことを言うギル様。
だけれど、アル様も負けじとにっこりと笑う。


「そんなに余裕を無くしていたらリリィに嫌われるよ?いつだって俺が後ろに待機してると思っていてよ、ギル」


「待つだけ無駄だ、誰にも渡すつもりは無いからな。お前のところにリリィが来ることはない」


「へぇ……余裕だねぇ?」


「ふっ……なんとでも言えばいい。リリィの全ては俺のものだから当たり前だろ?」



笑顔で笑う二人の間には、見えない火花が散っていた……。


ちょ!!!何この空気!!!



そんな二人の様子に慌てていると、ギル様の腕の力はさらに強くなり、私をアル様から隠すように抱き込む。

そして、耳元で甘く囁く。


「お前はいつの間にアルを、たらしこんだんだ?」

「……ひえっ!!」



そんなことを言われても、なんのことか分からないけれど……ギル様が、かっこよすぎて胸がときめいて顔が赤くなる。