「……それにしても、なぜギル様とご一緒に……?リリィ様は、婚約が嫌で逃げたはずですよね……?」
「うっ……!そ、それは……えと、そうだったんだけど……その……」
ルリは、私を小さい頃からお世話していただけあって、気持ちをしっかりとわかっていたみたいで不思議そうに頭を傾ける。
その様子に、えへへと気まずく笑う私。
そして……、私は今日までの怒涛の日々をルリと両親に話した。
婚約が嫌で逃げ出したこと。
男装執事として生きることに決めたけれど、間違えてギル様のお屋敷で雇われてしまったこと。
その中で出会ったレイヴン公爵邸の大好きな仲間たちのこと。
そして……、最後に大好きになったギル様のこと。
「……はぁ……相変わらずおっちょこちょいですね……、ですが……リリィ様が幸せになれたのなら私はとても嬉しいです」
久しぶりにルリの呆れた顔を見つつ、最後は自分の事のように嬉しそうに笑って祝福してくれた。
一方、私と似て脳天気な両親はそこではじめて婚約を嫌がっていたことに気づき、驚きで二人して目を見開いていた。
「す、すまんリリィ……っ!!!お前がそんなに悩んでいたなんて気づかずに、勝手に婚約を決めてしまって……」
「てっきり……花嫁修行に行ったのかと思っていたわ……ごめんなさいっ」
お父様とお母様は、慌てて私に謝った。
「ふふふっ、今は幸せだから大丈夫だよっ!!お願いだから謝らないでよ……本当に今は幸せなんだから!」
「リリィ……大切な人が見つかってよかったなぁ……幸せになるんだよ……」
「リリィ……本当におめでとう」
申し訳なさそうにしていた両親も、最後は優しく微笑んで私の幸せを祝福してくれた。



