婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



その後、馬車にもどると手を繋ぐ私たちを見たアル様は、私にこっそりと近寄ると耳元で囁いた。



「ふふっ、がんばったんだね?おめでとう

……あーぁ、焼けちゃうなぁ」



そう言って優しく笑いながら祝福をしてくれた。



そんなアル様の言葉に照れる私の手を引くギル様が、行く場所があるということで、アル様と解散したのだった。




そして私とギル様が向かったのは……



「おぉ……っ!!リリィ!!!

不思議な格好をしているね

無事修行は終わったのかい?!やっと戻ってきたんだね?!元気だったかい?!」



行動の早いギル様が連れてきたのは、私の実家であるロゼッタ侯爵邸。



久しぶりの私の姿に大はしゃぎの両親は、すざましい勢いで私に抱きつく。



この感じ……懐かしい……!!!!



「お父様、お母様!!ただいま戻りましたっ!!!」



あまりの懐かしさと嬉しさで笑顔で笑うと、私も思いっきり両親に抱きつき返す。



ギル様は私の隣で、その様子を優しく笑って見守っていてくれた。



すると……カチャンッ!!!!



なにかの物音に、視線を向けると……


そこには大好きなルリがいた。


そして、驚きで手に持っていたカップを落とし目を見開いていた。



「……リリィ様……っ!!!!今までどちらに……?!?!」



私の姿を見た瞬間、リリィの瞳からぽろぽろと涙がこぼれる。



その姿に私も胸がじわっと締め付けられて、大好きなルリの元へ走ると思いっきり抱きついた。



そんな私をルリは抱きとめると



「リリィ様……っ!!本当に……本当に……無事で何よりです……っ!!」


「ルリ……っ!心配かけてごめんね?!」



すごく心配していたのが伝わるルリは、私を優しく温かく抱きしめてくれた。



そして、しばらく久しぶりの再会に二人で幸せを噛み締めて抱き合っていると……



そっと私を離したルリが、私の後ろにいるギル様に視線をうつし眉をひそめる。