婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



そして広い庭園に二人きりになる私たち。


みんなの前での大告白に、少しだけ気恥ずかしく思っていると……

ギル様が私に視線を合わせる。


「くくっ……やってくれたな、リリィ。ほんとお前ってやつは……」

「うぅ……ご、ごめんなさいっ!
だ……だけどっ!!ギル様を他の人に……と、とられたくなくて……」



本音をぽろりと言う私に、一瞬驚いた顔をしたギル様は、すぐにくすくすと楽しそうに嬉しそうに笑った。


そして、私の顎をくっと指先で持ち上げると綺麗な青い瞳が私を見つめる。


「お前がいつ本当のことを言うのかずっと待っていたんだがな」

「……?ど、どういうこと……ですか?」

「ふっ……俺がお前の正体を知らないとでも思っていたのか?」

「……えっ?!?!?!」



それって……え?まってまってまって……ずっとバレてたの?!

えぇ?!?!私の完璧な男装が?!?

バレてないと思ってたとか……恥ずかしすぎない……?!?!?



「な!!な、なんで、黙っていたんですかっ!!は、はずかしすぎますっ!!私あんなにも悩んでたのにっ!!ひ、ひどいっ!!」

「なんとでも言え」



恥ずかしくてジタバタと暴れる私の腰を、意地悪に笑うギル様は、余裕そうに強く引き寄せると私を腕の中に閉じ込めた。


そして、私の耳元で最高に甘くとろけるような声で囁く。


「やっと俺のものになったんだ……これからはもう一切の手加減はしない。

……覚悟しとけ、リリィ」



ぞくっとするほど甘い言葉がふってくる。


そして、綺麗な顔が視界いっぱいに広がると、私の唇に温かくて柔らかいギル様の唇が落ちてきた。


「……んっ……」



私の全てを味わい尽くすような、とても深く長い口づけ。

唇が離れた一瞬の隙に、溢れる私の気持ちを漏らす。


「ギル様……大好きです……っ」

「俺もだ」



幸せそうに笑うギル様から何度も落ちてくるキスは、私からしたキスとは全然違って

とても濃厚で胸がときめく、すごくすごく幸せな、そんな甘いキス。



王宮の庭園は、私たちを祝福するかのように太陽の光が差し込んでいた。

キラキラと輝く光は私たちを照らしていて、神様に祝福されているような気分だった。