婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



淡くピンクの髪の毛がハラハラと落ちると、ふわっと風と共に広がった。



そして、リリィとしてしっかりと顔を上げるとギル様を見据える。



「婚約破棄なんて……許しませんからっ!!!絶対に……破棄しませんからっ!!!!」


「はっ……?!」



さっきまでクリスタル様に甘いマスクで微笑んでいたギル様の姿は、もうそこにはなくて



綺麗な青い瞳を、驚きで見開いていた。



隣でクリスタル様も上品な顔を驚きに染めて、私の様子に息を飲んでいた。




驚く二人を無視して私は、ただただ大好きなギル様目掛けて一直線に勢いよく走り出す。




そして、勢いを緩めることなく全力のまま思いっきりギル様の胸元へ


どーーーーーーーん!!!!!!!


と力いっぱいに飛び込んだ。




「うっ……!リ、リリィ……っ!」



さすがのギル様もいきなりのことに、私を受け止めつつも体制を崩して、よろめいた。



そして、よろめくギル様の胸ぐらを両手で力任せに掴む。


さらに驚くギル様を無視して


ぐいっと力を込めると、ギル様の綺麗な顔を自分に引き寄せた。



……むにっ



「……?!?!?」



驚きで目を見開くギル様の唇に、私の唇を思いっきり重ねる。