婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


「俺の方がいい男だよってこと。リオは見る目がないね?……俺はそろそろ行くね、じゃあね」


「なっ……なっ……」



手をひらりと上げて扉に向かうと、後ろで顔を真っ赤にしているリオの姿に、胸の中がチクチクと痛みながらも笑って部屋から出た。



誰もいない廊下で静かに壁に寄りかかった。



「はぁ……むかつく……絶対に逃がしてやんないからね」




胸の中でうずまく嫉妬と独占欲にため息を吐きながら、俺は誰もいない廊下でそう呟いたのだった。