その時だった……
まだ楽しそうに笑うリオのカツラが泥の重みでズレてきていた。
兄上にバレたらまずい!!!
急いで立ち上がろうとすると
俺の横から兄上の腕がすっと伸びて、リオの頭を抱き寄せると同時に自然にカツラの位置を戻しているようだった。
「……へっ……ギル様???」
「頭がものすごく汚れていたぞ」
「もう全部汚れてるから平気ですよっ!!でも、ありがとうございますっ!ふふっ」
そう言って兄上の腕がリオから離れると、リオは満面の笑みで笑っていた。
あれ……?兄上ってもしかして……リオがリリィて気づいてる……?
俺は驚いて兄上をいつのまにか思いっきり見てしまっていた。
その視線に気づいた兄上は、俺の表情を見て何かを考えると腑に落ちた顔をした。
そして、俺から見ても綺麗な顔で自分の唇に人差し指をそっとあてて「しーっ」と意地悪そうに楽しそうに笑った。



