婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



「だけど俺……今は違うよ……、兄上の婚約者はお前がいい」

「へっ……?」


私を不安そうに見つめるレオ様に、びっくりして目を見開いた。

レオ様はさらに言葉を続けた。


「俺っ、リオとずっと一緒にいたい!家族になるならリオがいい!!

だからさっ!……はやく諦めてよ。

逃げるなんてやめて婚約者としてこの屋敷に来いよっ!!」

「……レオ様……っ」


なんだかよく分からないけど……
胸がぎゅっとして……温かくて……


気がつくと視界が滲んで、私の目からは大粒の涙がぽろぽろとこぼれていく。


レオ様……私なんかになんでそんな嬉しいこと言ってくれるの……?



前世のモラハラ男から、都合よく扱われてきた私を心から必要だと言ってくれる人がいる。

私のことを必死に考えて涙を流して怒ってくれる人がいる。

それがすごく嬉しくて幸せで、胸が温かくて涙が止まらなかった。



「……ちょ!!な、何泣いてんだよ?!」


急に泣いてしまった私に、レオ様は驚いてオロオロとしている。


「す、すみません……っ。わ、わかんないですけど……う、うれしくて……っ、ひっく……うっ……っ」