「……兄上がさ……お茶会に行ったんだ」
「……だからいつもより着飾ってたんですね……」
ぽつりぽつりと呟くレオ様は悲しそうに寂しそうに話をする。
「……兄上はお前と婚約してからは全部断ってたんだぞ……、お前は、嫌じゃないのか?」
「……えぇと……」
レオ様に言われてみてよく考えてみる。
他の女性と楽しくお茶をしているギル様……
……チクッ……。
……私は嫌だと思っている……?!
だけどだけどっ!!この世界の理不尽さもよく知っているから……仕方のないこと……だよっ
この世界での社交……
それこそ私が唯一抗えなかったものだ。
嫌だと気づいてしまったその気持ちを隠すようにレオ様にゆっくりと伝える。
「私は……この世界では社交からだけは、絶対に逃げられないってこと身をもってちゃんと知っています……。だから、仕方の無いことだってきっとあります……」
すると……
「……相手は、国王陛下の娘……クリスタル様だ……」
「……そ、そうなんですね……」
相手が想像以上すぎて苦笑いがこぼれた。
「尚更……逃げられないですね」
クリスタル様……サラサラと綺麗な金髪を靡かせる、とても美しいこの国の王女様だ……。
想像するとギル様とすごくお似合いだと思った。
私の胸はさっきよりも確実にチクチクと痛み出す。
すごく嫌だ……と気づいてしまった。
なんでこんなに嫌なんだろう……昨日から本当に私はいろいろとおかしくなってしまったみたい……。
そんな私を見たレオ様は目を見開くと、なぜか慌てたように必死に言葉を絞り出した。
「な……なんて顔してんだよ……」
「へっ……そんな変な顔ですか……?えへへっ」
なんだか泣きそうになった私はへらっと笑うと、レオ様は複雑な顔をして呟いた。
「……最初は婚約破棄したお前のことなんて嫌いだったのに……」
「すっごい悪口言うじゃないですか、ふふふっ」



