「少しは食べないと、元気になれないよ?ね?ほら、食べて?
はいっ、あーん」
目の前で楽しそうにニコニコとしつこくスプーンを差し伸べるロキさんの執念に観念した私は小さく口を開けた。
だけど、口に入った瞬間、出汁がきいていて、とても優しい味がして想像以上に美味しかった。
「わぁ……っ!!!」
さっきまで食欲なんてなかったのに、あまりの美味しさに私は目が輝く。
「ロキさんっ!!!やっぱり、ロキさんの作るご飯はとっても美味しいですねっ!!
私、ロキさんの作るものってなんでも大好きなんですよね〜っ!どれもこれも美味しいですもんね?
ロキさんは、将来絶対いい旦那さんになれますね〜っ!!」
あまりの美味しさに興奮した私は美味しさを語ると、満面の笑みでロキさんに笑った。
すると、カチャンッとスプーンが食器に当たる音がすると、ロキさんは片手で自分の顔を覆ってしまった。
「……ロキさん?」
不思議に思った私は、ロキさんの顔を覗き込むと指の隙間から見えたのは赤くなった頬だった。
「はぁ……何この破壊力……。俺お子ちゃまには興味はないんだけどなぁ……、ほんと次から次へと……ふふっ」
私の目の前でボソボソとなにか呟くロキさんに声をかける。
「どうかしましたか?ロキさん」
「……なんでもないよ」
顔から手を離したロキさんは、まだ少し頬が薄っすらと赤いまま、優しく微笑んだ。
「体調戻るまでは、特別に毎日俺が滋養のあるご飯を作ってきてあげるよ」
「えっ?!本当ですか?!ロキさんの特別メニューを私だけ食べれるなんて、私は幸せものですねっ!!約束ですよ?」
「ふふっ、いいよ、そんなことで幸せになれるんだね君は」
「当たり前じゃないですかっ!こーんなに美味しいんですからっ!!」
私が大きく手を広げて体全部で表現すると、満面の笑みで笑う。
すると、少しだけ視線を逸らしたロキさんはお礼を口にする。
「……ありがとう」
「こちらこそありがとうございますっ!早く元気になれそうですっ!」
そして穏やかなご飯時間が過ぎていった。



