婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


ロキさんが困ったように眉を下げて優しく笑った。


「覚えてない?君は廊下で倒れたんだよ?君は人のために無理をしすぎだね……ご飯、食べられそうかな?」



そう言えば……廊下でグラグラしてから記憶が無いかも……

納得はしたけど、食欲は全然ない……。



私は食べられないと頭をふるふると振った。


その瞬間自分の視界に入ったのは、淡いピンクの髪の毛がさらさらと揺れる様子だった。


「へっ……か、髪の毛……」


慌てて頭を手でおさえると、いつもあるはずのカツラがそこにはないことに気づく。


や……やばいっ……


目の前のロキさんを慌ててみると、私の様子ににっこりと微笑んでいた。



「心配しなくても大丈夫だよ。俺は最初から君が女の子だってきづいていたからねぇ……」


「えぇ……う、うそっ……バレていたなんて……は、はずかしい……っ」



ひゃー……なにが完璧な男装よっ!!
……初日からバレてたなんて恥ずかしすぎる……っ!!