「一通りはできたわね」
ふぅ……と一息を着いた、その時だった。
何やら廊下の方から騒がしい足音が響いたかと思うと扉の前で止まる。
そして、
──コンコンコンッ!!
強く扉をノックする音が聞こえてくる。
……まさか、もう誰か来たのかしら?
とりあえず、リオ様のこの姿を見せられないわ……、しっかりと追い返さなくては
扉を開くと、美しい顔を歪ませ、焦る顔をした旦那様が目の前にいた。
「リオが倒れたと聞いたのだが、リオは無事なのか?!」
「だ、旦那様っ!!風邪がうつってはいけませんので、廊下にて説明させていただきますっ!!」
うちの旦那様は外ではとても甘いマスクで有名だ……、だけど屋敷では冷静でとてもクールな旦那様の面影はなく、とても人間味溢れる様子をしていて、私もびっくりしている。
とりあえず中を見られてはいけないと思った私は、扉を無理やり閉めて、廊下に出る。
「そこを退け、リオが無事なのか確認をさせろ」
「いけませんっ!旦那様も昨日まで体調を崩されていたのですよ?また風邪をうつしてしまったら、公爵領の皆様がとても悲しみます。リオ様は大丈夫ですので、今日はお引き取りください!」



