婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


こっそりとその腕を掴み、退かそうと試みるが……、私の腰を抱きしめる腕は更にぐっと力がこもる。


ひいっ!!!
お、落ち着くのよ!私っ!!
ゆっくりよ……起こさないように……


ギル様の腕に再び手をかけると……


「……ん……どうした……?」

低くかすれた声が後ろから響いた。

「……ひっ」


恐る恐る後ろを振り向くとギル様は眠そうな目をしながら……私を見つめていた。


バレたからには……、ここはもう覚悟を決めて謝るしかないっ!!


ガバッと起き上がると土下座をした。


「ご……ごめんなさいっ!!勝手にベッドに入って!!僕はギル様を襲ってしまってないですかっ?!寝相が悪いのに……寝落ちなんてしてしまったせいで!!病人のギル様になんて事を……!!ごめんなさいいいいっ!!!」


涙目でてんぱりながら、まくし立てるように謝る私に、寝起きのギル様はキョトンとした顔をしたあと……くくっと面白そうに笑っていた。