私はギル様の言葉が、衝撃すぎて彼の居なくなった部屋で一人立ち尽くした。
……えっ……ギル様……、だよね?
モラハラ男と付き合ってた私は知っている。人のために自分を犠牲にして頑張ることは、そんなに簡単なことじゃないって。
ギル様って本当は……いい人なんじゃ……
ギル様が公爵である理由が、さっきの一言にすべて詰まっているような気がした。
私……なにか……勘違いをしている?
そんな考えが頭の中をよぎった私は、ちゃんとこの目で見ないといけない気がした。
ちゃんと見て確かめたいっ。ギル様って、本当はどんな人なの?
今思えばこの世界で相手のことをちゃんと知ろうと思ったのは、初めてかもしれない。
そして、ギル様を追いかけて私も執務室に向かった。



