だけど、私の言うことなんて全然聞いてくれなくて、ギル様はふらふらしたまま執務室へ向おうとする。
ほんとっ!!何考えてんのよこの人っ!!
行かせまいと、両手を広げて必死に通せんぼうをする。
「絶対行っちゃダメです!お願いですからゆっくりしてて下さいっ!!明日の朝お医者様が来ますからっ!!」
「はぁ……、そこをどけ、やらなければならない事がある」
「体調戻してからじゃダメなんですか?!」
そんな私の必死な訴えも通せんぼうも意味なんてなくて、通せんぼうする私の手を優しく掴むと退かす。
彼の手はまだかなり熱を持っていて、熱が高いことがわかる。
だけどギル様は、静かに呟いた。
「何のために数日も視察に出かけてたと思う?俺が止まれば、領内の人間が困るだろう」
そう言ってふらふらしながら部屋を出て行くギル様に私は何も言えなかった。



