婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


チラッと彼女を見ると、少し落ち込んでいて、いつものリオの姿からは想像できないほど儚げだ。



そして、俺は彼女の容姿を見てあることに気づく。



はぁ……できるならば、気づきたくなかったなぁ。

そーゆーことね……、なるほど……。



今までリオを怪しい奴だと思っていたけど、目の前の彼女を見て、すっと謎が解けていく。



リオに感じていた疑いや違和感は、やっと綺麗に吹き飛んだ。

スッキリする気持ちと、少しの虚しさが混じりあう。



そんな気持ちを消し去るように、いつも通りの笑みを浮かべると、彼女の綺麗な空色の瞳を覗き込んだ。



「……で……君は、なんでこんなところにいるのかな?ロゼッタ侯爵家のリリィ嬢」

「な……なんで、私の名前を……っ!?」



可愛いらしく目をぱちくりと見開く彼女に、俺はくすくすと笑う。