婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


けれど…………、胸を隠すために頭から両手を離してしまった私は更に、自分に追い討ちを掛けることになった……。



──チャポンッ


水分を含んで重たくなった茶色のカツラが、私の頭からあっけなく川に落ちる音だった。


その瞬間、頭がとても軽くなった……。


音のする方に視線をうつすと、川の水面にぷかぷかと、哀れに浮かび上がっているカツラ。


カツラの下から現れたのは、水に濡れて輝く、淡いピンク色の綺麗な長い髪。


はらはらと自分の胸元に落ちてくる髪の毛。


ぷかぷかと目の前を流れていくカツラと、ピンクの長い髪を晒した私を見て、アル様は完全に言葉を失って固まっていた。



……終わった……。