婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



そんな俺の動揺を知ってか知らずか、リオはさらに追い打ちをかけるように距離を詰めて無邪気な可愛い顔で笑った。



「同じ釜の飯を食べたら、もう仲良しなんですよっ!昔そう教えてもらったんですっ!

だから、僕とアル様はもう仲良しですねっ!」

「……っ……」



目の前で屈折なく満面の笑顔で笑うリオが、一瞬……あまりにも可愛いらしくて女に見えてしまった。


俺に向けて、花が咲くように笑う顔と言葉に、胸の奥がドキンと大きく高鳴った。



……は?女?……いやいや…男…だよね…?


女を知ってるはずの俺が、こんな男の笑顔に本気で毒気を抜かれかけているなんて……こんなことある?



回し者と疑っていたけど、俺の心の中には違う疑念が生まれてしまった。


俺の動揺なんて知らない、目の前の脳天気なリオは


「ほら、レオ様ももっと食べてください!」


と、残りのミートパイを無理やりレオの口に押し付けると、怒ったレオに


「おま……いつも…いつも……!!待てこのクソひょろ男!」


と追いかけ回されていた。