婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】


「わぁぁぁい!やったぁぁ!!大成功っ!!アル様、美味しいですか!?よかったぁ!!」


俺がうまいと言った瞬間、リオは目の前でやったぁ!と飛び跳ねると嬉しそうにキラキラとした満面の笑みを溢す。


「……君ねぇ……はぁ……」


昨日あんなに脅したというのに、どうして君はそんなに嬉しそうに笑えるんだい?


呆れ混じりにリオを見つめると、俺の視線は、リオの両手でピタリと止まった。



昨日までは男とは思えぬほど綺麗だったリオの指先には、絆創膏があちこちに何枚も貼られていた。


不思議に思った俺は、小さいその手をよく観察すると小さい切り傷や火傷の痕がある。


……まさかね……?


「……その傷だらけの手は、どうしたんだい?」


俺はいつもの笑顔を消しリオに問いかけた。