婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



「そんなの嘘だけど?」

「へっ……」



冷たく笑うアル様はあまりに恐ろしくて、私の顔は一気に真っ青になった。


う、嘘……?なんのために……?



色んな疑問が浮かぶけれど、さすがギル様の側近騎士と言うぐらい、纏う空気がやばい。

完全に人を殺しそうなやばいやつだ。と、背中がゾクゾクとする。



「あのさぁ、君。まぢでどこの回し者?」



アル様は私のすぐ耳元に顔を寄せると、低く冷たい声で淡々と私に言い放つ。



「ギルを誘惑して、この公爵家で何を狙っているの?

……次、何か怪しい真似をしたら……わかってるよね?……殺すからね」



シャキン……ッと鋭い金属音が二人の空間に響いた。


「……へっ?」



次の瞬間、私目掛けてアル様の剣が容赦なく振り下ろされた。