幼なじみがこんなにも私に恋していたなんて

「は・・・・・・?」

乾いた・・・・・・でも確実に怒りがこもっている声が私達しかいない昇降口に響く。

「・・・・・・おい」

仁くんはそう言って私のポケットに手を伸ばす。

私はすぐに立ち上がって一歩ひいた。

ただ反射的にそうなってしまっただけ。

「澪!」

鼓膜を貫き通すような大きくて、そして棘のある声。

「じ、んくんっ・・・・・・」

私は無意識なのだろうけど少しだけ睨むような目つきになってしまった。

そのせいでか仁くんは余計に怒る。

「澪は俺の言うことだけ聞いてればいいのに」

仁くんはそう言ってポケットから光を反射する“ソレ”を私に向ける。

「なぁ」

仁くんがそう言ったタイミングで私の前に颯爽と髪を揺らして女の子が現れた。

「五十嵐くん」

玲奈ちゃんだった。

「・・・・・・お前は・・・・・・星野か」

「名札を見なきゃ分かんないって相当澪ちゃんしか視界に入ってなかったみたいだね。ナイフで恐喝はもうアウトだし」