紫陽花の短編集物語#2

3秒で「推し」を見つけろ! 第1話 嘘つきのサインは、指先の光

大学の賑やかなキャンパス。唯(主人公)は、ベンチでスマートフォンを握りしめている。彼女は人間関係の失敗が怖く、新しい友達を作るのに躊躇している。
唯 (心の中で) 誰が本音で話してるかなんて、私には一生分からない。みんな、怖くて信用できない。
その時、急に強い頭痛が唯を襲う。唯は思わず顔を上げ、周りを見渡す。
次の瞬間、視界に入った人々の指先が、青い光を放っていることに気づく。
唯 (驚愕し、自分の手を何度も確認する) な、何これ…?みんな、指が光ってる?
カフェテリアで談笑する学生、道端で電話する学生――ほとんど全員の指先が、かすかに青く光っている。
唯 (震えながら、確信する) 嘘だ。これ、嘘をついてるサインだ…。
その時、唯が憧れている先輩、龍之介(人気者)が、女子学生に囲まれながら歩いてくる。
龍之介 (爽やかな笑顔で) 卒業制作?もちろんだよ。困ってるなら、俺がいくらでも手伝うよ。
龍之介の指先は、他の誰よりも強く、鮮やかな青色に光っている。
唯は、憧れていた**「完璧な先輩」が、実は最大の嘘つき**だったという事実に、大きなショックを受ける。
龍之介が唯に気づき、爽やかに話しかけてくる。
龍之介 あれ、唯ちゃん。元気?来週のサークル、絶対来てね。
龍之介の指先から、青い光が強く噴き出す。
唯 (顔が青ざめ、息をのむ)
スマホの縦画面いっぱいに、唯の 「絶望的な表情」 と、龍之介の 「青く光る指先」 が映し出される。


3秒で「推し」を見つけろ! 第2話 完璧な先輩の青い秘密

大学のカフェテリア。唯は、龍之介の指先の青い光が頭から離れない。彼女は、すべての人々の指先を見てしまうため、誰とも会話ができずにいる。
隣のテーブル。龍之介が、困っている様子の友人A(女子学生)に話しかけている。
龍之介 (優しい笑顔で) レポート、大変そうだね。無理しないで。僕でよかったらいつでも相談乗るよ。
友人A (感激して) え、龍之介先輩…!ありがとうございます!
龍之介の指先は、鮮やかに青く光っている。
唯 (心の中で) 嘘だ。彼の優しさは、全部**「営業」**だ。彼は、誰にでも、その場しのぎの嘘をついている。
唯は、ショックでフォークを落とす。その金属音が、静かに響く。
図書館。
唯は、誰もいない隅の席で伊緒(幼馴染)と向かい合っている。伊緒の指先は、光っていない。
伊緒 (心配そうに) 唯、最近変だぞ。誰も信用してないだろ。何かあったのか?
唯 (必死に目を逸らし) 何でもない。ただ、人間関係が怖いだけ。みんな、裏表がありすぎる。
伊緒 (真剣な目で) 裏表のない人間なんていない。でも、みんなお前のことを心配してる。俺もだ。
伊緒がそう言った瞬間、唯は思わず伊緒の指先を見る。
伊緒の指は、光っていない。
唯は、安堵の息を漏らす。伊緒の言葉だけは、真実だと確信する。
その時、図書館の入口から龍之介が入ってくる。彼は電話で話している。
龍之介 (電話の声) ああ、あの面倒な後輩?適当に褒めておけばいいだろ。俺のイメージのために。
龍之介の指先は、最も強い青色に光っている。
唯は、龍之介の完璧な笑顔と、指先の禍々しい青い光のギャップに耐えられなくなり、机に突っ伏してしまう。
唯 (心の中で) もう嫌だ……。誰を信じればいいの?


3秒で「推し」を見つけろ! 第3話 光らない幼馴染の優しさ

大学のキャンパスの隅。人目につかないベンチ。唯は、誰も信用できず、いつも一人で座っている。
伊緒が、コンビニの袋を提げてやってくる。袋の中には、唯の好きなグミが入っている。
伊緒 (唯の隣に座り、グミを差し出す) ほらよ。なんか最近、飯食ってねーだろ。
唯 (受け取らず、うつむいたまま) いらない。
伊緒 (静かに、グミを唯の膝の上に置く) 俺は、お前が嘘ついてるの、知ってるぞ。いらないわけないだろ。
唯は、ハッとして伊緒の指先を見る。
伊緒の指先は、全く光っていない。
唯 (心の中で) 嘘をついている、と指摘した今も、光らない……。彼の言葉は、すべて真実なんだ。
唯は思わず、膝の上のグミをぎゅっと握りしめる。
唯 (震える声で) ねぇ、伊緒。どうして、何も聞かないの?
伊緒 (空を見上げながら、淡々と) お前が話したくなったら話せばいい。俺は、急かさない。それが、幼馴染のルールだろ。
伊緒がそう言った瞬間も、指先は微動だにしない。
唯は、今まで見てきた龍之介の光と、伊緒の光のない指先のコントラストに、涙が溢れてくる。
唯 (涙を拭いながら) 伊緒……。ありがとう。
帰り道。 二人が並んで歩いている。
唯 (意を決して) ねぇ、私、龍之介先輩のことが分からなくなった。あんなに完璧なのに、なんで……。
伊緒 (冷静に) 龍之介は、**「理想の自分」**を演じるのが上手いだけだ。あいつにとって、誰もが観客なんだよ。
伊緒の言葉は、冷たいが、真実の重みがある。
唯は、伊緒の言葉が真実であることに安心し、初めて伊緒の優しさに心から救われる。
唯 (そっと、伊緒の服の裾を掴む) 明日も、一緒に帰ってくれる?
伊緒 (穏やかに微笑み、唯の指先を見つめる) 当たり前だろ。
伊緒の指先は、今も光っていない。唯は、この光らない優しさこそが、自分にとっての真の救いだと確信する。


3秒で「推し」を見つけろ! 第4話 「推し」が犯した、光らない嘘

夕方。伊緒の自室。唯は、伊緒の部屋の隅に積まれた古いダンボール箱に目が留まる。
唯 ねぇ、伊緒。これ、何?
伊緒 ああ、あれか。昔の写真とか、色々入ってるだけだ。
唯は、伊緒の許可を得てダンボールを開ける。そこには、中学時代の伊緒と唯の写真が大量に入っている。
その中に、一枚の写真を見つける。そこには、**中学の制服姿の伊緒、唯、そして龍之介(先輩)**の三人が写っている。
唯 (驚いて) え?伊緒、龍之介先輩と中学一緒だったの?どうして今まで言わなかったの?
伊緒 (少し動揺した様子で) あいつとは、色々あったんだ。別に、大したことじゃない。
唯 (心の中で) (龍之介先輩は、いつも伊緒と会っても、他人行儀だった。それも嘘だったの?)
唯は、伊緒の言葉が真実であるか確かめるために、伊緒の指先を見る。
伊緒の指先は、光っていない。
唯は、伊緒の言葉が真実であることに安心する。
その時、写真の裏側に、油性ペンで書かれた文字があることに気づく。
文字 『アイツの代わりに、私が全て隠す。』
唯がその文字を読んだ瞬間、写真の隅、龍之介の肩に置かれた伊緒の指先が、かすかに、本当にわずかに、青く光ったように見えた。
唯 (絶句し、息をのむ) (心の中で) 嘘だ。伊緒まで……?しかも、光らない嘘があった?
伊緒は、唯の異変に気づき、静かに唯の手から写真を抜き取る。
伊緒 (優しいが、どこか諦めを含んだ表情で) 見なくていい。もう、古い写真だ。
唯は、唯一の光だと思っていた伊緒にも、隠された嘘と謎の秘密があることに、最大の絶望を抱く。


3秒で「推し」を見つけろ! 最終話 唯、僕には「青い光」が見えない

はい、承知いたしました!バズるショートドラマ、『3秒で「推し」を見つけろ』、衝撃と感動の最終話です。
伊緒への疑惑と、物語全体の謎が一気に解決し、最強のどんでん返しで幕を閉じます。




3秒で「推し」を見つけろ! 第5話 ユイ、僕には「青い光」が見えない
【場所】 大学のキャンパス、夜 【登場人物】 唯、伊緒


夜のキャンパス。誰もいない中庭のベンチ。唯と伊緒が向かい合っている。唯は、伊緒の**「光らない嘘」**の真実を知りたい一心だ。
唯 (涙をこらえながら) ねぇ、伊緒。写真の裏の文字、**「アイツの代わりに、私が全て隠す」**って、どういう意味?あなたは、私に何か隠してるんでしょう?
伊緒 (静かに、唯から目を逸らす) …話す義務はない。これは、俺たちの問題だ。
唯 (堪らず、立ち上がる) 違う!私の能力のこと、全部話す!私には、人が嘘をつくと指先が青く光るのが見える!だから、先輩の嘘も、あなたの嘘も、全部見えたの!
伊緒は、初めて驚いた表情を見せるが、すぐに静かな顔に戻る。
伊緒 (笑いながら、自分の指を突き出す) そうか。見えたのか。…なら、もう一度よく見てごらん。
伊緒は、強い決意を込めて、嘘をつく。
伊緒 (優しい目で) 唯、僕は君のことが大嫌いだ。早く、俺の前から消えてほしい。
その瞬間、伊緒の指先が、鮮やかな青色に光る!
唯は、絶望に打ちのめされる。唯一信じた人も、嘘つきだった。
唯 (泣き崩れそうになりながら) やっぱり……。もういい、伊緒。さよなら。
唯が背を向け、歩き出そうとしたその時、伊緒が優しく、しかし力強い声で呼び止める。
伊緒 (静かに) 待ってくれ、唯。僕には、君の指の光だけ、見えないんだ。
唯 (立ち止まり、混乱して振り返る) え…?
伊緒 (自分の指の光を、悲しそうに見つめる) 僕も、人についた嘘の光が見えるんだ。だから、龍之介が君に近づくのを止めたかった。(真の能力者の告白)
伊緒は、ゆっくりと唯に近づき、真実を告げる。
伊緒 僕が龍之介のミスをかばった時、写真に写った僕の指が光ったのは、「あいつの代わりに」嘘をついたからだ。そして、今、僕が**「君が嫌いだ」と嘘をついた**のも、君を試したかったからだ。
伊緒は、唯の両手を優しく包み込む。
伊緒 でも、君の言葉だけは、僕には光って見えないんだ。君の指は、今、光っているかい?
唯は、伊緒の言葉を聞き、安堵と愛情が爆発する。
その瞬間、唯の指先が、かすかに青く光る。それは、「伊緒に、能力のことを隠していた」という最後の嘘。
伊緒は、唯の光を見て、優しく微笑む。
伊緒 (そっと、唯の額にキスをする) 大丈夫だよ、唯。僕が、君の全ての嘘を受け止める。



「嘘の光が見える二人だけが、本当の愛を見つけた。」