黒い羊と無菌狂

<公園>

今年のメインイベント「リアル人狼鬼ごっこ」が始まった。

ステージから離れると、会場の雰囲気はさっきまでと変わらない。

違いは、会場を漂う紫色のスモークが濃くなってきたことくらい。

ミオネ
「さっきまでの狂気がウソみたい…だけど…。」

見えない”異常”への不安は拭えなかった。

家族連れも、カップルも、老夫婦も、誰ひとりスモークを気に留めていない。

その無関心な和やかさが、逆に怖い。

ミオネ
「結局、私は村人?それとも人狼…?」

私は自分の配役さえわからないまま、マユたちを探して歩き回った。

公園のメインストリートも変わらず賑わっていた。

あの時、雄叫びをあげて散っていった人たちとは、まだ遭遇していない。

ミオネ
「なーんだ、これなら意外と大丈夫じゃ…。」