静の真っ直ぐな視線に耐えられなくなった私は、どんどん顔が熱くなっていく。きっと今の私は、耳まで真っ赤だ。
それなのに静は平然としていて、少しも動揺した様子を見せない。
……静ばっかり、ずるい。
急にいなくなったと思ったら、何事もなかったみたいに突然現れて。
私の気持ちなんて知らないくせに、いつだって簡単に心をかき乱してくる。
……ずっと私は静に振り回されっぱなしだ。
「ふみさん」
「……へ?」
名前を呼ばれて顔を上げた瞬間、壁についていた私の左手を静がそっと絡め取った。
驚いて息を呑む。
私の指と指の間に、静の長くて節ばった指がゆっくりと入り込む。まるで逃がさないと言われているみたいに。
「――っ」
隙間ひとつないほどぴたりと重なった手のひらから、じわりと熱が伝わってくる。
心臓が苦しいほど速く脈打った。
近い。熱い。触れられているだけなのに、身体中が落ち着かなくなる。
……て、手汗っ。やだっ……。



