「ふみさんと、また一緒に学校通えるのが嬉しくて」
「………っ、」
その言葉で、一瞬だけ頭が真っ白になる。
言いたいことは山ほどあるのに、全部喉の途中で止まる。
昨日、再会できて嬉しいって思った自分がいたのも事実なのに、今はもう違う。
この人は懐かしい“静”じゃなくて、私の平穏を簡単に壊してくる存在だ。
静と離れて、友達を作るためにも、『本当は、私も嬉しい』なんてことは、絶対口に出しちゃいけない。
「ふみさんはどうです?」
「え?」
「俺と学校通うの、嬉しくないですか?」
静は切れ長のアーモンドアイを少しだけ細めて、まるで私の反応を楽しむみたいにそんなことを言った。
「……ぁ、う……う、」
嬉しくないなんて、そんなわけない。
むしろ飛び跳ねたいくらい嬉しいに決まってる。
ずっと会いたかった人と、こうしてまた同じ時間を過ごせるなんて。
だけどそんな本音、まともに口にできるはずもなくて。



