「は、初めましてっ」
落ち着け私、ただの挨拶、ただの挨拶。
「かわいいね。名前なんていうの?」
――かわいい?今、かわいいって言った?
え、私?私のこと?誰かと間違えてない?
男の子はそのまま、自然な感じで私の前の席に腰掛けて、体だけこっちに向けてくる。その距離感にさらに緊張が増す。
「ほ、鳳条ふみです」
噛みそうになりながらもなんとか言い切る。
もしかして、初めてのお友達ができるーー?なんてほんの一瞬だけ期待してしまった。
「ふみちゃんね!俺の名前はーー」
その瞬間だった。
スッ、と視界に影が落ちるみたいに、私と男の子の間に何かが割り込んできた。
スクールバッグだ。



