あちこちからそんな声が漏れてきて、ああ、そういうことか、とすぐに理解する。
みんな、静を見てるんだ。
……ふぅ。よかった。と一瞬だけ安心しかけて――いや待って、よかったじゃない。全然よくない。
「……。」
静はというと、すでに教室の空気に溶け込む前に、別の意味で溶かしている。
女子たちに一瞬で囲まれて、「ねぇ、君何中?」「どこから来たの?」と質問攻めにされている。
私はその流れに巻き込まれて、誰かに軽くぶつかって「ご、ごめんなさい」と小さく謝る羽目になっていた。
うぅ…やっぱりこうなるんだ。
ヤクザというレッテルを払ったとしても、静がどこにいたって目立つ容姿をしている。
ちらっと見ると、本人はなんか…ちょっと満更でもなさそう…?
「アメリカに住んでたよ。最近、日本に帰ってきたばっかり」
静のその一言で、周りのテンションがさらに跳ね上がる。



