どうせなら、最後は君に殺されたい




扉が音を立てて閉まり、電車が発車しかけるその直前、閉まりゆく扉の向こう側で、サラリーマンが扉越しに一瞬だけこちらを見て、心底ホッとした顔をした。



……ホッとするな!そもそも痴漢したのそっちだろ!って言いたい気持ちはあったけど、その気力すら削られていく。



きっとあの人は会社に着くまでずっと気まずい空気を抱えて生きるんだろうな、とぼんやり思ったけど、正直もうどうでもよかった。



それよりも問題はこっちだ。


私はゆっくりと静を見上げる。静はというと、どこか納得していないような、不服そうな顔をしていた。



「だめですよ、ふみさん。あーいうのはちゃんと警察に突き出さないと」



その言葉を聞いた瞬間、私は思わず頭を抱えたくなった。



「あーもうっ!あーいうのやめてっ!」



駅の中を歩きながら、ほとんど叫びみたいな声が出る。


朝の駅はただでさえ人が多くて息苦しいのに、さらにこの会話。