どうせなら、最後は君に殺されたい




静がいなくなって、私はまた一人になった。


おじいちゃんもいる。優一郎さんもいる。組のみんなもいる。


それでも駄目だった。誰も静の代わりにはなれなかった。


どれだけ周りが優しくしてくれても、胸の中にはぽっかり穴が開いていた。


朝起きても楽しくない。ご飯を食べても美味しくない。笑うことだって減った。

大袈裟じゃなく、本当に死んだような気分だった。


早く人生が終わればいいのにと思ったことだってある。


それくらい、静がいない世界は寂しかった。



静は何も言わず、ただ静かに左手を伸ばして、私の右手を取る。


大きな手で、きゅっと優しく握られる。


昔は同じくらいだったのに。いつの間にこんなに大きくなったんだろう。



「子どものころ、俺がふみさんを守れるくらい強くなりたいって言ったの覚えてますか?」



その言葉に心臓がどくん、と大きな音を立てる。



「……覚えてないかも」



そう言うと、静は少し俯きながら、まあ、そうかと独り言みたいに呟いて、私の右手をにぎにぎと触った。


私の手の存在を確かめているみたいで、心臓が落ち着かない。


そして、静が顔を上げて目が合った。どくん、と二度目の大きな鼓動。