慌てて涙を拭ったけれど、静は私の顔を見て眉をひそめる。
「なんで泣いてるの?」
そう言いながら、静は私の隣に腰を下ろし、土の上にそのまま座る。
おしり、よごれるよ、と言いたかったけれど、静は気にしてないみたいだった。
静は黙って隣にいる。前みたいに睨んだりしない。ただ私の返事を待っていた。
どうしてだろう。胸の奥が熱くなる。
今まで誰にも言えなかったことが、喉の奥まで込み上げてきた。
言ったらだめだと思っていたこと。弱音なんて吐いちゃいけないと思っていたこと。
それなのに。
「……っ、お、おかあさんと……おとうさん、に……あいたいっ……」
言葉にした瞬間、涙が溢れて止まらなかった。今まで誰にも言ったことがない気持ちだった。
おじいちゃんにも。優一郎さんにも。組のみんなにも。心配をかけたくなくて言えなかった。
でもなぜか静には言えてしまった。どうしてなのか自分でも分からない。
「……お前も、いないの?」



