「………ひとりは、私だけ」
気づけばそんな言葉が零れていた。言った瞬間、胸が痛くなった。
ぽろりと涙が落ちる。慌てて袖で拭う。
だめだ。泣いちゃだめ。寂しいなんて思っちゃだめ。
私は一人じゃない。おじいちゃんがいる。優一郎さんもいる。組のみんなもいる。
みんな優しい。みんな私を大切にしてくれる。だから寂しいなんて贅沢だ。そんなこと思っちゃいけない。
……でも、じゃあどうしてこんなに苦しいんだろう。どうしてこんなに胸が痛いんだろう。
お父さんがいないこと。お母さんがいないこと。友達がいないこと。全部平気なふりをしてきたのに。どうして今日はこんなに寂しいんだろう。
「なにしてんの」
突然、頭の上から声が降ってきて、私はびくりと肩を震わせる。慌てて顔を上ると、そこに立っていたのは静だった。
「し、ずか……」



