どうせなら、最後は君に殺されたい




恐る恐るお腹を撫でる。ふわふわだった。柔らかくて温かい。

白猫は嫌がる様子もなく目を細める。

喉の辺りを撫でると、ごろごろと気持ち良さそうな音が鳴った。



「お友達はいる?いつもひとりなの?」



白猫は当然返事なんてしないけれど、それでも私は話しかけ続けた。だって猫なら何を言っても大丈夫な気がしたから。


だけど白猫は突然ぴくりと耳を動かし、そして遠くのほうを見つめる。




次の瞬間、どこからか「ニャー」という鳴き声が聞こえてきて、私もそちらを見る。すると少し離れた場所に黒い猫がいた。

白猫は嬉しそうに鳴き返して迷うことなく立ち上がった。



「あ……」



私が声を出した時にはもう遅くて、白猫は黒猫のほうへ駆け出していく。


黒猫も待っていたみたいに尻尾を揺らした。二匹は自然に並んで歩き始める。


私はその場に取り残されたまま、二匹の背中を見つめる。


楽しそうだな。仲良しなんだな。白猫には友達がいたんだ。


いや、友達じゃないかもしれない。家族かもしれない。どちらでもよかった。ただ、一人じゃない。それだけは分かった。