ある日、私は相変わらず部屋に引きこもっていた。
静と顔を合わせるのが怖くて、できるだけ部屋から出ないようにしていた。
大好きだった庭遊びも最近はしていない。
本を開いていても文字は頭に入らないし、窓の外を眺めていても楽しくない。
ただ時間だけが過ぎていく。
そんな時だった。開け放った窓の外から、「ニャー」と可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。
この声、知ってる。屋敷の周りでたまに見かける猫かもしれない。
部屋を飛び出し、声が聞こえたほうへ向かう。
廊下を走り抜けて庭へ出ると、そこには白い猫が一匹いた。真っ白な毛並みが陽の光を浴びてきらきらしている。
逃げられないようにそろそろと近づく。
でも白猫は私を見るだけで逃げようとしなかった。それどころか、「ニャー」と鳴きながらごろんと地面に寝転がってお腹を見せた。
か、かわいい……っ!
「おまえは、どこから来たの?」



