私はずっとそうは思えなかった。
だってもし私がもっと優しくて、もっと明るくて、もっとみんなに好かれるような子だったら、誰か一人くらい友達になってくれたんじゃないかなって思うから。
だからきっと理由は違う。
私がいい子じゃないからだ。私に何か足りないものがあるからだ。だからみんな離れていくんだ。だから静も私を嫌ったんだ。
走りながら胸が苦しくなる。
私がもっといい子だったら。もっと可愛くて、もっと愛される子だったら。
そうしたら――そこまで考えたところで、お父さんの顔が浮かんだ。
ほとんど会えないお父さん。そして写真の中でしか知らないお母さん。
私を産んで、そのまま亡くなったお母さん。
顔は知っている。でも声は知らない。抱きしめられたこともない。名前を呼んでもらったこともない。
それなのに、ずっと会いたかった。



