どうして。何か悪いことをしたのかな。嫌われるようなことを言ったかな。
やっぱり私がヤクザの娘だから?学校のみんなと同じで、この子も私を怖がってるの?
せっかくできた家族なのに。せっかく仲良くなれると思ったのに。
胸の奥で弾けたばかりの小さな希望は、一瞬で音を立てて砕け散り、さっきまで流れ星みたいに輝いていた世界が、また元の灰色に戻っていく気がした。
「おい、静!」
優一郎さんの声が庭に響いた。でも静は振り返ることもなく、そのまま走り去ってしまう。
私は何が起きたのか分からないまま、その場に立ち尽くしていた。
さっきまで仲良くなれるかもしれないと思っていたのに。
初めてできた同い年の家族だと思ったのに。
差し出した右手は宙に浮いたまま、胸の奥だけがじわじわと痛かった。



