「鳳条静です。よろしくお願いします」
家族?今、家族って言った?
知らない男の子が、私の家族になるの?
「ほうじょう……?」
「そう。血は繋がってないけど、今日から俺の子どもだよ。ふみとは、いとこになるね」
「……いとこ」
いとこ。テレビや本の中では聞いたことがある。でも私には今までいなかった存在。
同じ家族で、同じくらいの年齢で、一緒に遊んだり喧嘩したりする相手。
「そう。新しい家族だよ」
新しい家族。その言葉を聞いた瞬間、私の胸がふわりと浮き上がった気がした。
今まで灰色だった世界に、突然色がついたみたいだった。
大人ばかりに囲まれて育ってきた私。同年代の子と話す機会なんてほとんどなかった私。
学校では誰とも仲良くなれなかった私。
そんな私に初めてできた、同じ年頃の家族。



