どうせなら、最後は君に殺されたい




でも静はそれ以上何も言わなかった。代わりに、少しだけ息をついてから立ち上がる気配がして、私はびくりと身構える。


そして次の瞬間、静はわざわざ座布団を避けて、私のすぐ横に、距離ひとつ分も空けないまま腰を下ろした。



「な、なに?」



一気に近くなった距離に心臓が跳ねる。さっきまで普通に話していたはずなのに、横にいるだけで空気が違う気がする。


ふわっと、ほんのり甘いような匂いが鼻先をかすめる。


これ、香水……?



「ふみ」



静はその二文字をはっきりと口に出す。


私は反射的に顔を上げてしまって――その瞬間、完全に目が合った。


私の瞳を真っすぐに見つめる切れ長のアーモンドに既視感を覚える。


その目を見た瞬間、胸の奥が一気にざわついて、何かが一気に崩れ落ちたみたいに記憶が押し寄せてきた。