どうせなら、最後は君に殺されたい




ここで私が我儘を言うわけにはいかない。


だって今までどれだけ守られてきたと思っているの。どれだけ愛されてきたと思っているの。



両親がほとんど家にいなかった私を、おじいちゃんが育ててくれた。組のみんなが見守ってくれた。

寂しくないように。困らないように。危険な目に遭わないように。ずっと守られてきた。



そんな人たちに向かって「嫌だ」なんて言えるわけがなかった。



「……うん。わかったよ。明日からそうする」



なるべく明るく聞こえるように。なるべく心配させないように。笑顔まで作ってみせた。我ながら上手だったと思う。

昔からそうだった。心配をかけたくない時ほど笑う癖がある。


すると、おじいちゃんは一瞬だけ悲しそうな顔をして、立ち上がった。


「じゃあ、あとは若いもん同士で話しとけ」



わざとらしくそう言いながら歩き出す。私の後ろを通り過ぎる時だった。

大きな手が頭の上に置かれる。

子供の頃から何度もされた仕草。優しくて大きな手。安心する温もり。