友達と笑って、電車で通学して、放課後に寄り道して、恋愛の話なんかして。みんなが当たり前に持っているものを、私も欲しかった。
でもおじいちゃんはそれを否定しているわけじゃなかった。むしろ守ろうとしてくれていた。
私が少しでも普通でいられるように。
そのために静がいる。そう言ってくれているのだ。
私はぎゅっと唇を噛んだ。胸の奥が少し苦しくなる。
だって本当は嫌だったから。学校にまで護衛がつくなんて嫌だった。
やっと普通の高校生活が送れると思っていたのに。
静が嫌なわけじゃない。でも、静がずっと隣にいたら絶対に目立つ。
友達だってできないかもしれない。
普通からまた遠ざかるかもしれない。
そんな不安があった。
でも――それを口にすることはできなかった。



