でも今は違う。
ニュースを見ることもある。世間がどう思っているかも分かる。
鳳条組だけじゃない。
同じような家だっていくらでもある。私みたいな立場の子だっているはずだ。
そしてもし――もし私が誘拐でもされたら。
身代金目的かもしれない。組への脅し目的かもしれない。
でも一番危険な目に遭うのは私じゃない。
きっと、おじいちゃんだ。私を守ろうとする人たちだ。鳳条組のみんなだ。
私一人の問題じゃ済まない。
「ふみに、自由な時間を与えないってわけじゃねーんだよ」
おじいちゃんは少しだけ声を和らげた。
「おめぇにはできる限り普通の生活をしてほしい。だから、そのために静がいんだ」
「……。」
普通の生活。私はずっと欲しかった。



