近寄りがたいと思われていたのも分かっている。だから私はお願いしたのだ。
高校生になったら普通に電車で通学したい、と。
みんなと同じように駅で待ち合わせしたり、帰りに寄り道したりしたい、と。
やっと叶ったと思っていたのに。
「黒スーツの強面男と電車はなかなか絵面がやべぇだろ」
おじいちゃんが、なぁ?と静を見る。
「そうですね」
静もあっさり頷く。
いや、確かにその通りだよ? 臣さんが電車に乗ってたら目立つよ? 百パーセント職質されそうだし。
だけど…!
「だからって静も十分目立つからね?」
おじいちゃんも静も全然分かってない。黒スーツじゃないからセーフ、みたいな話じゃない。
だって静は187センチもある。顔も良い。スタイルも良い。普通に立ってるだけで目立ってしまいそうだ。
「そもそも、ボディーガードなんていらなくない……?」
私は最後の抵抗を試みた。
「私、今まで誘拐されたことなんて一つもないのに」



