どうせなら、最後は君に殺されたい




こうして自然に話せるようになったことも、笑うようになったことも、本当なら喜ぶべきことなのに。胸のどこかが少しだけ痛かった。


私だけが置いていかれたような気がしたからかもしれない。


静は前へ進んだ。知らない世界を見て、知らない経験をして、大人になった。



でも私はどうだろう。

7年前の記憶を大事に抱えたまま、ずっと同じ場所に立ち止まっていたんじゃないだろうか。



そんなことを考えてしまって、私は手持ち無沙汰に髪を指へ絡めた。

飴色の髪をくるくると巻いて遊ぶ。


静はそんな私を見ていたけれど、何も言わなかった。


複雑な気持ちを抱えたまま俯いていると、不意に障子の向こうへ大きな影が映った。次の瞬間、襖がゆっくりと開く。



「なんだ?静かだな」



聞き慣れた声が部屋へ響く。



「おじいちゃん!」



ぱっと顔を上げる。そこに立っていたのは着流し姿のおじいちゃんだった。