「えっと…臣さん、どういうことですか?」
視線の置き場がわからなくて、目の前の男の子を見てもいいのか、それとも臣さんを見るべきなのかもわからないまま、ただ不安だけがじわじわと広がっていく。
臣さんは、私が物心ついた頃からずっとそばにいた人だ。どこに行くにも、臣さんが一緒にいるのは当たり前だった。
鳳条ふみ、明日から高校1年生。どこにでもいる普通の女の子だ。
ただ、一つを除けばーー。
”鳳条組”
関東一円に強い影響力を持つ巨大な極道組織。
創設から百年近い歴史を持ち、代々鳳条家が組を率いてきた。
表向きは不動産や建設、警備会社など複数の企業を経営しているが、裏社会では知らない者はいないほどの存在だと言われている。
組は厳しい上下関係と絶対的な忠誠によって成り立っている。
組長を頂点に若頭や幹部たちが組を支え、その傘下には数多くの系列組織が存在する。



